【コラム】「最強の公務員ラグビーチーム」大阪府警察ラグビー部がリーグワンに加入しない理由

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ラグビー現場で彼らの勇姿を追い続けてきた記者であり、大阪府警察ラグビー部ファンでもある視点から、ラグビーファンなら誰もが一度は抱く疑問——「なぜ、圧倒的な強さを誇る大阪府警察ラグビー部はリーグワンに参入しないのか?」について紐解いていきます。

トップウェストの舞台や全国社会人大会などで、猛烈なタックルと伝統の力強いスクラムを武器に、並み居る企業チームと互角以上に渡り合う大阪府警察ラグビー部。「あの強さなら、リーグワン(ディビジョン3や2)でも十分に通用するはず!」と熱く語るファンの方々の声もよく耳にします。

一ファンとしては、リーグワンの華やかなピッチで戦う彼らの姿を見てみたいという夢もあります。しかし、取材を重ね、リーグワンの規律や参入要件を整理すると、彼らが参入しない理由は競技力ではなく、制度的・法的な「構造的障壁」にあることが見えてきます。

法人格と「事業機能(商業興行)」の要件

ジャパンラグビー リーグワンに正会員として加盟するには、株式会社、一般社団法人、公益社団法人などの法人格を保有することが義務付けられています。さらに、各チームにはチーム運営および収益事業の責任者を置き、主催興行(チケット販売やスポンサー集客などの収益事業)を行うための事業機能を持つことが必須条件とされています。

大阪府警察ラグビー部の選手たちは、全員が大阪府の治安を守る**地方公務員(警察官)**です。公務員には法律上の兼業・営利企業従事制限があり、警察組織という公的機関が自前で商業興行を行ったり、営利法人を立ち上げて観戦チケットやスポンサー料で収益を上げたりすることは制度的に不可能です。

Minimum 1億円の活動・強化費と財務要件

リーグワンの参入基準では、安定したクラブ運営を行うため、チームの強化・活動費として最低1億円が予算計上されていることや、持続的な事業・人件費の確保が求められます。

一般企業チームであれば母体企業の事業予算やスポンサー収入から拠出されますが、警察組織の資金源は税金(公金)や部員の会費等です。公金をプロ・半プロスポーツチームの年間1億円を超える強化費や運営費に充当することは、税金の使途として認められません。

選手契約区分と「警察官の本業」という責務

リーグワンの選手登録区分には、企業と雇用関係にある「社員選手」と、プロ選手にあたる「業務委託契約選手」の2通りが存在します。

公務員である警察官選手はプロ契約(業務委託)を結ぶことができません。また、彼らの最優先事項は「地域の治安維持と市民の安全を守る警察業務」です。交番や捜査現場での交替制勤務、事件・事故への緊急対応などの職務を全うしながら、全国を転戦するリーグワンのハードな日程や固定された練習体制 に参加し続けることは、職務上の制約から非常に困難です。

スタジアム確保やファンクラブ等の地域事業要件

リーグワン参入には、収容規模2,500人〜3,000人以上のホストスタジアムを確保し、主管試合の興行運営体制や一般向けファンクラブの開設・運営を行うことも義務付けられています。これも公的な警察組織が単独で担うビジネス要件とは馴染まない側面があります。

【結び】リーグワンに入らないからこそ輝く「公務員ラグビー」のプライド

大阪府警察ラグビー部がリーグワンに加入しない理由は、実力不足などではなく、「事業化・プロ化を推進するリーグワンの要件」と「公務員・警察官としての法的・職務的制約」という明確な構造的ギャップが存在するためです。

しかし、だからこそ彼らのラグビーには特別な魅力と誇りがあります。日夜、大阪の街の平和を守る警察官として激務を果たしながら、ひとたびグラウンドに立てば泥臭く、直向きに、そして圧倒的なフィジカルで相手に立ち向かう——。

リーグワンという華やかな商業プロの舞台に立たなくとも、彼らが体現する「品位・規律・情熱」のラグビー精神と「最強の公務員チーム」としてのプライドは、私たちファンの心を掴んで離しません。これからも一記者として、そして一ファンとして、大阪府警察ラグビー部の熱い戦いを追い続けていきます!

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